小学校6年生における下顎第一大臼歯の齲蝕の割合は全永久歯の61%に及び、中学生では下顎第二大臼歯の齲蝕の発生率が高いことがよく知られている。そして、前述のとおり、下顎第一・第二大臼歯ともその後の早い段階で齲蝕により脱落することが多く、確率的に両方を喪失している割合も無視できない数となる。
このように連続して下顎大臼歯を喪失すると、将来、対合する臼歯部を失う原因となるばかりでなく、臼歯部での咬合高径を保つことができなくなり、顎関節症の原因にもなりうるのです。
萌出時齲蝕の効果的な予防法として、歯が萌出し始めたらフッ化物塗布を行い、咬合面が完全に見えたらシーラントを行うことと、ワンタフトブラシで裂溝や歯冠部を覆っている歯肉の間を丁寧に磨くことがとても大切である。
下顎第一・第二大臼歯によく見られる頬側面溝に沿った齲蝕、レジン修復された6歳むし歯と未処置の12歳むし歯
大臼歯頬側側面溝の齲蝕発生メカニズム萌出途中、歯肉と頬側側面に三角形の空隙ができ、プラークが入り込んで齲蝕が発生する
歯界展望(2012年2月号)からの引用
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